[0090]荷重の繰返し回数が1万回以上は高サイクル疲労

荷重の繰返し回数が1万回以上は高サイクル疲労といい,寿命が残留応力の影響を大きく受けます。

繰返し応力と破壊する回数 S-N  線図 (試験体の場合)

この応力(Stress)と破壊する繰返し回数(N)の関係を示す線をSN曲線(S-N線図)と言います。

S-N曲線は、応力集中があると下へ(応力)が小さい方へ移動します。

また、引張りの残留応力があると下へ(応力)が小さい方へ移動します。ただ、外部からの応力が大きい場合は、初期の残留応力の影響は大きくありません。外部からの応力が小さいほど影響を受けます。また圧縮残留応力がある場合は、上へ(応力)が大きい方へ移動します。

引張残留応力が大きく応力集中のある溶接継手では、S-N曲線は、かなり下がります。疲労限を比較します。JSSCの指針では、板の場合は、強度等級Aで疲労限は、190MPaですが、面外ガセット継手だと溶接ままで強度等級Gで50MPaに下がってしまいます。しかも、50MPaは、鋼材の強度があがっても低いままです。

疲労において寿命が短くなって壊れてしまうのでどのような原因でしょうか?それは、

S−N曲線が設計より下がってしまう場合とその調査方法

外部からの応力が設計より上がってしまうの調査方法

X線で応力を測定する。ひずみゲージで応力を測定する。