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X線の回折現象を利用して金属表面の結晶の変形から表面の応力を推定します。[0030]X線応力測定の原理 [0169]cosα法の原理
結晶変形(ひずみ)の模式図
金属における応力は、その物性に多大な影響を与えます。応力は、外部からの力が物体にかかるときに発生し、その物体内部の原子の配置に変化をもたらします。
ひずみ: 応力が加わると、金属は変形します。この変形の程度は、ひずみと呼ばれます。ひずみは、外部力に対する金属の応答として、その寸法がどれだけ変化したかを示します。
弾性変形:応力が加わると、金属は変形しますが、応力がなくなるとほぼ元に戻る応力範囲の変形を弾性変形と言います。
塑性変形: 弾性変形より大きな応力が加わると、一部の結晶が滑り始め、金属が永久的な変形を経験します。これは塑性変形として知られ、加工や成形プロセスで重要な役割を果たします。
疲労: 弾性変形の範囲でも金属に繰り返し応力が加わると、疲労が生じることがあります。これは、金属内部の微細な欠陥や結晶粒界での損傷が応力サイクルのたびに蓄積、進展することによるものです。疲労は、予期せぬ破壊の原因となります。
加工硬化: 金属が塑性変形するにつれて、その強度は増加します。これは加工硬化として知られ、金属内の結晶が移動したり再配置されたりすることによるものです。
X線残留応力測定センター info@stress.co.jp は、鋼とアルミを対象に安価かつ短納期の応力測定サービスをご提供しています。
残留応力は、insidious と形容されることがあります。知らぬ間に進行する,潜行性のという意味です。見ためでは、どのくらい危ないかわからないし、その存在を意識しないこともあります。しかしながら、時に破壊をももたらします。それを比較的簡単にみえるようにするのが、X線による残留応力測定です。
残留応力には以下の性質があることがわかっています。
残留応力と外部からの応力は、弾性域においては加算されます。
引張応力は、疲労破壊、亀裂の進展、応力腐食割れを発生させます。
圧縮応力は疲労破壊、亀裂の進展、応力腐食割れの発生を抑えます。H型鋼においては座屈の問題を引き起こします。
圧縮であれ引張であれ高い応力があると、クリープや機械加工での変形がおきる可能性があります。
残留応力の発生と軽減は、温度変化(組織的な変態を含む)および機械的な加工、振動、打撃等によってもたらされます。したがって、ピーニングや熱処理によって狙った応力的な効果が達成されているかを確かめることは、応力測定の目的になります。
一部引用 Mechanical Relaxation of Residual Stress STP993 ASTM
ピーニング効果の評価
ピーニング前後で応力を測定してピーニングの効果を評価します。
ピーニング一定期間毎に測定して圧縮残留応力を確認します。
通常ピーニングでは最大で降伏応力に近い圧縮応力が導入されます。これまでは現場で実際に測定することは困難であったので作業の標準化で対応していましたが、当社では現場での測定が可能です
疲労特性の評価
残留応力と疲労寿命の関係を参照してください。
熱処理の範囲と効果の評価
ひずみとり焼鈍(SR)、焼き入れ等で性能がでているかを評価します。
熱処理による応力の変化とその範囲を測定できます。応力除去焼鈍では、応力と半価幅の変化により効果が確認されます。
事故原因調査
事故品の応力を正常品と比較することにより事故原因を推定します。
変形の防止
回転軸等変形してはならないものは、製造時加工前に残留応力値が基準以下であることを確認します。
棒材等で応力の不均一があると時効により変形することがあります。
溶接部条件の調査
溶接方法や条件による残留応力違いを測定します。
溶接健全性の評価
事故解析等で溶接部の応力を評価することにより、溶接不良部分を特定することができる場合があります。
溶接の不良箇所では十分な引張応力が発生していない場合があります。
SCC可能性評価
SCCは、ある範囲の引張応力で発生しますので、SCCが発生しやすい環境でないことを確認します。
加工方法条件の評価
センサー等変形を嫌うものは応力が小さくなるように、疲労が問題になる場合が圧縮応力をなるように加工条件を選択します。
CAEの初期データ
シミュレーション等の初期データとして測定された応力データを入力します。
使用中の機器の安全性評価
使用中の設備機器に異常な応力が作用していないか評価する。
製造ラインでの応力の変化調査
鋼製造ラインでラインを停止して各工程での応力を調査する。
測定の目的を決めます.
例 破壊原因調査 変形原因調査
状況の分析
現物がある場合は、現象が発生した状況、外観や寸法を測定します
仮説の立案
状況分析から原因仮説を立案します。
モデル立案
仮説を具体化して応力の分布を仮定します。
測定計画
応力の分布の仮説から測定点と方向を決めます。
測定
実際に測定します。
モデルの検証
測定結果からモデルの妥当性を検証します。モデルが妥当な場合は。仮説が正しい。
モデルが妥当でなく場合は、測定結果を含めた状況の分析を再度行います。
詳しくはご連絡ください。