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当社が採用する2次元センサーを前提としたcosα法には、他のX線応力測定法に対して、次のような量的なアドバンテージがあります:
回折環全体を使用することによる高精度な測定
測定時間の短縮(1点あたり約1.5分で迅速にデータ取得可能)
可動部が少なく、装置構成がシンプルで堅牢
これらの特長により、cosα法は「現場で使える実用的なX線応力測定法」として、産業現場で広く認識されています。
さらに当社では、こうした量的な利点にとどまらず、2次元センサーの導入により、1次元センサーでは得られなかった“もう一つの次元情報”=せん断応力の活用を通じて、応力測定・解析の次元的飛躍を目指しています。
2次元出力によって、従来の(垂直)応力に加え、せん断応力も同時に取得
情報の次元を拡張することで、応力の多次元解析が可能に
例:
異なる条件下で測定したデータの平均処理による測定精度の向上
応力の3軸せん断成分を相殺する技術
応力状態を多次元的に捉え、グラフィカルまたはアニメーションとして可視化
例:主応力の回転挙動など、従来は視認できなかった応力の変化を直感的に把握可能に
図12 左:測定の様子 右:測定点拡大
2次元センサーには、回折環の応力測定方向のずれと測定方向の直交方向のずれが観測される。1次元追加される。
今までは、応力測定方向のずれ、(垂直)応力値だけが使用されてきたが、これからは、せん断応力を利用して別次元の、測定精度、解析力、視認性を実現する。
cosα法は、2次元、3次元の応力解析に有利。
測定精度の向上
平均化処理
3軸応力成分の相殺
モールの応力円リバースで精度が上がる理由は、主に以下の3つの要素に集約されます:
測定点を例えば「0°と180°」「45°と225°」のように180度ずれたペアで取ります。
これらを平均することで、誤差要因となる3軸方向のせん断応力成分(τxzやτyz)をキャンセルできます。
この処理により、「1点の応力状態」をより正確に抽出できます。
モールの応力円リバースでは、2~8方向から測定した「応力+せん断応力」をグラフ用紙にプロットし円を当てはめる。
このフィッティング処理により、バラついたデータの外れ値が目に見える形で現れ、無視や補正が容易。
例えるなら、「GPS衛星の数が増えると測位精度が上がる」ように、測定点が多いほど精度が向上します。
従来のsin²ψ法などではせん断応力は無視されることが多かった。
モールの応力円リバースでは、cosα法の2次元センサーによって得られた実測のせん断応力もプロットに活用。
せん断応力は主応力の方向性を強く反映するため、これを利用することでより実態に近い応力解析が可能になります。
項目
モールの応力円リバースが優れている点
①測定点を180度対称で平均 → 誤差を相殺
②多点測定で円フィッティング → 外れ値排除
③実測のせん断応力を使用 → 情報量が倍増
このように、モールの応力円リバースは単に「新しい可視化手法」ではなく、精度向上のためのロジカルで実用的な手法です。
さらに詳しい例や図解をご希望であれば、資料や図をもとにご案内も可能です!必要であればお知らせください。
解析力の向上
主応力の回転
視認性の向上
モールの応力円は、数値の羅列では分かりにくい応力状態を「円」という視覚的フォーマットで捉えることで、誰にでも分かりやすく、測定結果の良否も“見える化”できる強力なツールです。特にモールの応力円リバースは測定データから直接的に円を描く手法であり、視覚的かつ直感的にストレス状態を評価することが可能です。
2次元で全方向の応力状態を示す
応力とせん断応力をX軸・Y軸にプロットし、円を描くことで1点の応力状態を視覚化できます。
各方向から測定した応力データをプロットし、円を描くことで主応力の大きさや方向も明示的に読み取れる。
主応力の方向や大きさが一目でわかる
モールの円の横軸との交点が主応力。
応力の最大・最小値、方向、せん断応力の分布などが図としてすぐに読み取れ、応力の偏りや集中も視覚的に捉えられる。
データのバラツキを“見える化”
複数方向から測定した結果がバラついていれば、プロットされた点が円に乗らず、すぐに「何かおかしい」と気づけます。
誤差や異常点の影響を平均化で相殺しつつも、それを図形で把握できる。
せん断応力も含めた解析が可能
cosα法によって測定されたせん断応力成分を含む視覚的分析が可能になり、平面応力解析がより豊かに。
これは従来のsin²ψ法では得られなかった利点です。
3次元応力評価への拡張性
0~180°だけでなく、45°や135°方向も加えた8方向測定を用いることで、z軸方向(垂直方向)も含めた応力評価も視覚的に可能に。