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投影は実体とは違って見えることがある。
投影は、変化が矮小化される。主応力の回転は、捕捉できない。
これまでのX線応力測定では、例えばσₓなど一方向の応力のみを測定し、「スカラー的な応力値」として扱ってきました。しかし実際の応力はテンソル量(2次元や3次元テンソル)**であり、その一部分だけを測定することは、あくまで“投影”に過ぎません。
ちょうど、物体に光を当ててできる影のように――
σx σy は、応力の“影”にすぎないのです。
実体は、座標系(測定方向)に依存しない応力の表記で主応力、応力テンソルまたはモールの応力円です。
モノが破壊する、疲労する、そのときに重要なのは「どの方向に最大応力が働いているか」です。しかし、測定方向と主応力方向がずれていると、実際よりも小さく測定されるという現象が起こります。また、主応力の回転は投影では、補足できません。 詳しく主応力の回転
応力は方向と大きさを持つテンソル量です。これを全方向から見る方法として、古くからあるのが「モールの応力円」です。
モールの応力円は、全方向の応力とせん断応力の関係を一つの円で表現するグラフィカルな手法です。
つまり――
従来:実体 → 投影 → 応力(σθ, τθ)
リバース:複数の投影(σθ, τθ) → 実体=モールの応力円=主応力σ₁, σ₂)を推定
応力テンソルは、理想的な応力場を数式で表現する強力な理論ツールです。しかし、応力測定における実測値は、常に誤差を含んでいます。応力テンソルは誤差を扱えません。
テンソルによる主応力計算(例:3方向法など)は、これらの誤差を考慮せず理論通りに値を出すため、誤差に敏感な場合は、結果が不安定になることがあります。
モールの応力円リバースは、誤差を含んだ複数方向の実測応力・せん断応力をそのまま使用し、以下の工夫で誤差の影響を低減しています:
2~8方向の多方向測定により測定した値を、円としてフィッティングし、多方向の平均により誤差を相殺、軽減します。
結果をモールの応力円という図形で表現することで、主応力の方向・変化の傾向・誤差の広がりが直感的に理解できます 説明図
モールの応力円リバースは、「誤差があっても実態が見える」手法です。
モールの応力円リバース解析は、特許第7513234号
材料力学、X線応力測定の教科書には必ず載っていているモールの応力円(1882年)と1978年提案され最近普及したcosα法を結びつけた画期的な発明。
実際は、なぜ今までなかったんだ?と思えるほど自然で単純明快な解析方法
特徴は、1点の応力状態をモールの応力円で表現する。
様々方向から測定した応力とせん断応力を円で近似する。
リバースには、逆にする、ひっくり返すの意味があります。
モールの応力円の使い方がリバース
これまでの使い方:モールの応力円を 主応力から各方向の応力を推定する。
リバース使用 ;各方向の応力から主応力を推定する。
精度向上のための平均化処理の概念をひっくり返す。
リバース的平均化:違った方向の測定値を平均化する。
それにより測定条件により発生する誤差を相殺、3軸応力、形状
誤差を含む複数方向の実測データ主応力・せん断応力(σθ, τθ)をそのまま使用可能 応力テンソルは誤差を扱えない。
測定方向(例:45°, 135°など)を直接解析できる。応力テンソルは直交座標系のみ。
グラフ用紙とコンパスで解析可能(計算機不要)
応力状態を円で表現することで、誰でも理解しやすい
測定誤差の程度が視覚的に理解できる。方向による応力の違いを視覚的に捉えられる
せん断応力最大方向(±45°)の評価に強い
疲労・すべり破壊の初期兆候を直接視認できる
破壊の兆しを“目で見て判断”できる唯一の方法
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視点: 「リバース解析」の基本定義と従来手法との発想の違いにフォーカス。
特徴:
「リバース」とは:方向別応力 → 主応力 への逆解析。
異なる測定条件の平均化により精度を上げる発想。
グラフィカル表示で、回転や緩和の視覚的理解が可能。
視点: 全方位可視化によるリバース解析の応用展開。
特徴:
測定点を複数持つことで精度と信頼性を向上。
疲労進行に伴う応力の「回転」や「緩和」を視覚的に追跡可能。
初心者でも直感的に理解できるよう「コンパスと方眼紙」での描画を提案。
視点: リバース解析の応用的活用に焦点。
特徴:
測定不可方向の応力(例:溶接線0°方向)を他方向データから推定。
せん断応力測定機の進化(2012年以降)による実用化に言及。
実測できないが重要な方向の評価が可能になった実務的意義。
【[0239]2次元・全方向・モールの応力円で見る応力変化】
視点: 疲労試験や溶接部の具体例に応力円を適用。
特徴:
実例ベースで「回転」「緩和」といった応力変化をモール円で示す。
動的変化(応力の移動・回転)を可視化し、通常解析の限界を克服。
視点: モールの応力円の基礎理論と使用法の概説。
特徴:
平面応力の可視化、座標変換、主応力の決定に有用。
0°-180°等の対称性の説明と、なぜcosθが係るかの背景まで言及。
リバース解析に必要な基礎知識の理解に最適。
【[0197]主応力解析 旧方法 ロゼットゲージとモール円】
視点: 古典的手法(ロゼットゲージ法)を用いた主応力の算出法を解説。
特徴:
0°, 45°, 90°の応力値からモール円を構成。
新しい手法(リバース解析)との比較の導入あり。
「リバース解析」は従来手法では困難だった視覚的理解や方向性変化の可視化が可能と示唆。
視点: 教科書的な立場からモール円を説明。
特徴:
360度の応力方向に関する基本関係式を重視。
「モールの応力円」はX線応力測定で最初に学ぶべき内容という立場。
[0233]モールの応力円リバース 測定から解析例まで
主応力解析
応力
[0199]モール応力円 原理と溶接部の応力