[0043]電解研磨

X線残留応力測定センター は、鋼とアルミを対象に安価かつ短納期の応力測定サービスをご提供しています。電解研磨について説明します。

目的 表層が測定したい応力ではない場合に応力を加えずに取り除く

解説

  • X線回折を使った方法では、測定できるのは、表面数ミクロンの応力となります。

  • 表面の応力が測定目的でない場合、表面に測定できない物質が付着したいる場合は、表面を除去する必要があります。しかしながら機械的な方法での除去は、新しい応力が生成され目的の応力が測定されなくなります。

  • そこで表面を溶解して取り除くのが電解研磨です。

電解研磨の仕組み

市販の装置では、細かな深さの制御が難しいため、目的に応じて複数の電解研磨装置を開発しています。以下に当社装置での電解研磨プロファイルを示します。

当社で開発しました高性能な電解研磨装置(特許申請中)をご紹介します。。

電解研磨液を貯めている円筒形の外側に磁石、内側に電極を配置しています。ローレンツ力で電解研磨液を攪拌する電解研磨装置です。

  1. 接触面の鉄濃度が一定になるので、表面が均一に電解研磨できます。泡切れも早くなるのでまだら模様が残りません。

  2. 上部が解放なので電解研磨液の入れ替えが簡単にできます。綿棒等で直接研磨面を掃除することもできます。防食タイプであれば電解研磨液があっても直接電解研磨深さが測定できます。

  3. 定電流源を組み合わせることにより、精度よく深さを制御することができます。

SCH.鋼の電解研磨結果を示します。中心(測定部分周辺)4点測定して深さを計測しました。いい精度で電解研磨ができています。このくらいがチャンピオンデータです。しかしながら、電流は勝手に最も抵抗が少ないところを流れていきますので被電解研磨金属要因の凹凸を防ぐことはできません。

電解研磨の手順

動画をごらんください。電解研磨液がきれいだと攪拌されているかどうか見えないので使い古しの液で撮影しています。

装置その2

その他にも電解研磨装置を開発しています。特許作成中で装置のご紹介はできませんが。研磨プロファイル例を紹介します。

ノコギリの刃を狙い値50μmで電解研磨した時のプロファイルです。

SUSを2mmφで研磨、狙い値は15 μmです。

曲面での電解研磨

  1. 予測計算式で電流値と時間を計算

    1. 電解研磨を実行

    2. レーザー変位計でプロファイルを計測

    3. 途中で計測をして条件を修正すればさらに精度が上がります。費用も上がります。

装置その3

パイプを全周測定する装置です。

装置外観

2回の研磨結果

外周0,90,180,270度の電解研磨プロファイル