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応力は、垂直応力σとせん断応力τで構成されるので、両方使うのが応力解析 詳しくは、
従来のモールの応力円との違い
通常のモールの応力円:主応力が既知の場合に、各方向の応力を推定するために使用します。
モールの応力円リバース:複数方向の実測値(応力とせん断応力)から、主応力や応力状態を推定・再構築します。
仕組みと利点
多方向からのデータ測定:2〜8方向から応力とせん断応力を測定します。
円フィッティング:測定したデータがモールの応力円になることを利用し、これらの点を円にフィットさせます。
誤差の相殺:異なる測定方向からのデータを平均化することで、測定値の誤差を相殺し、精度を向上させます。
3次元応力場の把握:この手法により、表面近傍における複雑な三軸応力状態や、物理的制約で主応力方向が測定できない場合でも、応力状態を正確に把握できます。
応力状態の直感的理解:モールの応力円という図形で結果を表現するため、主応力の方向、変化の傾向、誤差の広がりなどが直感的に理解できます。
適用例
複雑な形状の部品や、複雑な残留応力が発生する熱処理後の部品。
疲労試験前後での応力状態の変化追跡。
加工後の部品における応力状態の評価。
1. 360度全方向のグラフィカル応力解析 モールの応力円リバースは、特許技術(特許第7513234号)であり、360度...
✅ モールの応力円リバースは「誤差を前提とした視覚的・統計的手法」 モールの応力円リバースは、誤差を含んだ複数方向の実測...
ものづくりにおいて、「なぜ壊れたのか?」がわかれば、「壊れないようにする」ことができます。
製品が壊れる主な原因は応力の過大。特に金属疲労では、「見えない力」が数十万回の繰り返しでじわじわとひび割れを進行させます。この「見えない力」=残留応力を把握することが、壊れない設計・加工の第一歩です。
「モールの応力円」は、材料中の応力の状態を円で可視化する方法です。従来は「与えられた条件から、応力を予測する」ために使われてきました。
私たちが開発したモールの応力円リバースは、その名の通り逆転の発想です。
これまで:
「設計条件 → 応力を計算」
これから:
「測定された応力データ → 応力状態を推定」
複数方向から実測した応力とせん断応力をグラフ用紙にプロットし、モールの応力円を“逆に”描くことで、主応力の大きさ・方向を精度よく視覚化できます。
応力の理論は苦手だけど、現象として理解したいエンジニア
「なぜ壊れたか?」を突き止めたい設計・解析技術者
測定がばらついて困っている評価・試験部門の方
溶接・加工・ピーニングなど表面処理後の評価をしたい方
モールの応力円リバースでは、
180度反対の測定値の平均化でノイズを低減
4方向(0°, 45°, 90°, 135°)以上の測定で測定誤差を相殺
せん断応力もフル活用し、従来無視されていた情報を活かす
これにより、標準偏差±50MPaでも20MPaの変化を検出できる実績があります。
ありがとうございます。では続いて、「測定原理編(初心者向け・モールの応力円リバースの理解を深めるためのページ)」の内容をご提案します。
X線応力測定では、金属内部の結晶の「面間隔のゆがみ」を測定し、そこからひずみ → 応力を推定します。
たとえば、引っ張り応力がかかると、結晶面間隔が広がり、X線の反射角が変わります。このわずかな角度変化(2θ)をもとに応力を算出するのがX線回折法です。
🔹 代表的な測定方法:
sin²ψ法:複数の入射角度からd-ψ線図を作る
cosα法:回折環のひずみを2次元で検出 → 応力とせん断応力を同時に計測
モールの応力円リバースでは、1つの測定点を複数方向から測定します(例:0°, 45°, 90°, 135°など)。
これにより、**各方向の法線応力(σ)とせん断応力(τ)**が得られます。
得られた(σ, τ)のペアを直交座標にプロットしていくと、点群が円の形になります。
これが、モールの応力円です。
描かれたモールの応力円から:
中心座標 → 平均応力
半径 → 最大せん断応力
X軸との交点 → 主応力(最大/最小)
円の傾き → 主応力の方向
が視覚的に読み取れます。
これまでのモールの応力円は、「荷重などの条件から計算」して描くものでした。
モールの応力円リバースはその逆。
“実際に測った”複数の方向の応力データから、主応力などの応力状態を推定する手法なのです