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以下は「モールの応力円リバース」の**初心者向け概要(ウェブページ用)**のたたき台です。構成は、「なぜ必要か → 何が新しいか → 何ができるか」を軸にわかりやすく設計しました:
ものづくりにおいて、「なぜ壊れたのか?」がわかれば、「壊れないようにする」ことができます。
製品が壊れる主な原因は応力の過大。特に金属疲労では、「見えない力」が数十万回の繰り返しでじわじわとひび割れを進行させます。この「見えない力」=残留応力を把握することが、壊れない設計・加工の第一歩です。
「モールの応力円」は、材料中の応力の状態を円で可視化する方法です。従来は「与えられた条件から、応力を予測する」ために使われてきました。
私たちが開発したモールの応力円リバースは、その名の通り逆転の発想です。
これまで:
「設計条件 → 応力を計算」
これから:
「測定された応力データ → 応力状態を推定」
複数方向から実測した応力とせん断応力をグラフ用紙にプロットし、モールの応力円を“逆に”描くことで、主応力の大きさ・方向を精度よく視覚化できます。
応力の理論は苦手だけど、現象として理解したいエンジニア
「なぜ壊れたか?」を突き止めたい設計・解析技術者
測定がばらついて困っている評価・試験部門の方
溶接・加工・ピーニングなど表面処理後の評価をしたい方
モールの応力円リバースでは、
180度反対の測定値の平均化でノイズを低減
4方向(0°, 45°, 90°, 135°)以上の測定で測定誤差を相殺
せん断応力もフル活用し、従来無視されていた情報を活かす
これにより、標準偏差±50MPaでも20MPaの変化を検出できる実績があります。
ありがとうございます。では続いて、「測定原理編(初心者向け・モールの応力円リバースの理解を深めるためのページ)」の内容をご提案します。
X線応力測定では、金属内部の結晶の「面間隔のゆがみ」を測定し、そこからひずみ → 応力を推定します。
たとえば、引っ張り応力がかかると、結晶面間隔が広がり、X線の反射角が変わります。このわずかな角度変化(2θ)をもとに応力を算出するのがX線回折法です。
🔹 代表的な測定方法:
sin²ψ法:複数の入射角度からd-ψ線図を作る
cosα法:回折環のひずみを2次元で検出 → 応力とせん断応力を同時に計測
モールの応力円リバースでは、1つの測定点を複数方向から測定します(例:0°, 45°, 90°, 135°など)。
これにより、**各方向の法線応力(σ)とせん断応力(τ)**が得られます。
得られた(σ, τ)のペアを直交座標にプロットしていくと、点群が円の形になります。
これが、モールの応力円です。
描かれたモールの応力円から:
中心座標 → 平均応力
半径 → 最大せん断応力
X軸との交点 → 主応力(最大/最小)
円の傾き → 主応力の方向
が視覚的に読み取れます。
これまでのモールの応力円は、「荷重などの条件から計算」して描くものでした。
モールの応力円リバースはその逆。
“実際に測った”複数の方向の応力データから、主応力などの応力状態を推定する手法なのです
お客様の声:
「10年持つはずの部品が、5年で疲労破壊してしまった…」
外部荷重は設計通り
材料試験も異常なし
応力測定で高い引張残留応力が発覚
8方向測定で主応力方向を特定
残留応力が想定と異なる向きに集中していたことが可視化
応力緩和処理(ショットピーニング)で寿命2倍へ改善
お客様の声:
「測定結果が安定せず、何を信じていいかわからない」
結晶粒が粗い材料
測定方向によって結果に差が出る
従来法では「ノイズ」として処理されていた
0°と180°、90°と270°など対称測定で誤差成分を相殺
円形プロットで一貫した主応力傾向が確認できた
結果:±50MPaのばらつきでも20MPaの違いを可視化
お客様の声:
「平面応力場じゃない複雑形状でも使えますか?」
ギア歯底、段差部などの3次元応力集中部
通常の応力解析では限界あり
**0°, 45°, 90°, 135°, 180°, 225°, 270°, 315°**と多方向測定
主応力の方向が回転している様子まで可視化
3軸成分の影響(例:τxz, τyz)が平均で相殺される設計
お客様の声:
「引張試験・硬度・成分に異常なし。どこを改善すべきか…」
局所的に主応力が応力集中している方向を特定
単なる応力値だけでなく、方向と分布を見て判断できる
改善策:R加工、応力緩和、ピーニング角度の見直し etc