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精度は、①機器の精度と②お客様の材料の組織による精度の悪い方が律速となり精度が決まります。ほんとどの場合、誤差は、実際の材料の性質が、応力測定の式で記述された性質からどのくらい外れているかで決まります。
材料起因の誤差>機器の誤差
材料組織の性質が応力測定の式に近い場合は、誤差はほとんどないと考えられていますが、式から遠い場合は、誤差が大きくなります。
まずは、サンプルをお送りください。測定評価してみます。もう既に他社で測定済みのお客様は、お試し測定で検証してみてはいかがですか。mishima@stress.co.jp
測定精度=最悪値(①機器の精度,②お客様の材料の組織による精度) ほとんどの場合は、②が悪くて②で精度が決まる。
現在のメジャーな方法 cosα法とsin2ψ法は、両方とも被測定材料に3つの条件(①均質等方性であり、②平面応力のみ、③(X線が侵入する深さ内の)応力勾配なし)を仮定しています。実際には、特殊な金属を除き3つの条件を厳密に満足していません。その誤差が測定誤差になりますが、多くの場合は、機器の誤差より材料の誤差が大きいのです。
状態の良い材料は精度がよい。 状態の良い材料の意味は、応力測定で仮定した材料の式と実際の材料の性質が近いです。式との誤差が小さいという意味です。標準試料やハイテンは、比較的誤差が小さく、粗大結晶や強集合組織は、誤差が大きくなります。
現在のメジャーな方法 cosα法とsin2ψ法は、両方とも被測定材料に3つの条件(①均質等方性であり、②平面応力のみ、③(X線が侵入する深さ内の)応力勾配なし)を仮定しています。材料が3つの条件を満たしている時には2つの方法で測定値はほぼ同じで正確に測定できます。
①標準試料の場合
リガクの古い応力測定装置と当社のパルステック製の機器で同じ自動車用の部品を測定する機会がありました。50点ほどを2つの機器で測定しました。X線の照射範囲内で応力が変化していないと思われる応力勾配が少ない測定位置では2つの機器の測定値がよく一致しました。
会社も違う 年式も10年以上違う、方式もsin2ψとcosαで違う、2つの機器の測定値がよく一致しました。これがX線応力測定の魅力でして
①X線の波長が安定していることと
②巧妙に機器等のずれ、測定誤差を相殺するような計算をしてる等の理由で良い条件のもとでは高い精度がでます。
蛇足ながら日本ではこれまでリガクの測定器がほぼ市場を独占していたのでリガクとは違う値がでる機器を売ることはできません。
精度の良い材料の条件とは、原理的には、
3つの条件(①均質等方性であり、②平面応力のみ、③(X線が侵入する深さ範囲の)応力勾配なし)ですが。
実際の測定では、さらに以下の条件が加わります。
表面が平坦で凹凸が小さいこと。
結晶粒が小さいこと。
平面上の応力の勾配が小さいこと。
これらの条件を満たすと 熱処理の温度差による残留応力差の測定では、15MPaの差(温度で50度)を識別できました。
精度の悪い材料は、
①集合組織 cosα法とsin2ψ法の応力値が違う場合参照
②応力勾配 cosα法とsin2ψ法の応力値が違う場合参照
③粗大結晶粒で、標準偏差が100MPaを越えることがあります。測定値もばらつきます。揺動法で改善します。
結論 測定精度は、多くの場合、被測定材料の組織と表面の状態で決まります。機器の測定精度と材料の測定精度の悪い方で律速されるのでほとんどの場合は、材料で決まります。
精度よく測定できているかの検証は、測定条件を変えて測定を行います。測定値が大きく変わらなければ精度よく測定できている。測定値が大きく変わる場合は、被測定材料に3つの条件に合致していない。と判断できる場合が多いと考えます。
詳細はウエブサイトでは公開できないので、ご連絡をお願いします。ご説明できる場合があります。
主応力を求めたい。でも、既存の方法ではうまくいかない。
精度の高い解析がしたい。でも、標準偏差が大きいし、材料起因なので高価な測定器でも精度は上がらない。
3軸応力の程度を知りたい。
材料力学、X線応力測定の教科書には必ず載っていているモールの応力円(1882年)と1978年提案され最近普及したcosα法を結びつけた画期的と言うより、なぜ今までなかったんだ?と思える解析方法、特徴は、
1. 360度全方向のグラフィカル応力解析
モールの応力円リバースは、特許技術(特許第7513234号)であり、360度全方向からの応力を一つの円としてグラフィカルに表現できることが特徴です。グラフィカルに表現するので、応力測定、解析がうまく行っているか一目でわかります。通常のモールの応力円の逆の発想で、複数方向からの実測データを元に応力状態を視覚的に再構築します。
2. 高精度な解析手法
従来の応力解析方法に比べて、モールの応力円リバースは精度の向上が顕著です。複数方向(2〜8方向)の測定データを使用することで、平均効果によって誤差を低減し、特にデータがばらつく場合でも精度を維持することができます。また、180度反転による平均で3軸方向のせん断応力成分を相殺し、高精度な解析が可能です。
3. 主応力の変化・回転の捕捉
全方向からの2次元解析を行うため、応力の回転や主応力方向の変化を捉えられます。これは、従来の技術では捉えきれなかった応力の動的な変化や疲労による緩和の進行を可視化するのに役立ちます。具体的には、疲労試験前後の応力変化分析等が可能です。
疲労試験前と後の応力状態を比較することで、試験によってどの方向の応力がどの程度緩和されたか、また応力の回転の有無を確認することができます。この特性は、疲労現象の解明や応力緩和の評価にも役立ちます。
4. 実用的で直感的な解析
式を使わず、方眼紙とコンパスで実施できるため、応力状態が視覚的に直感的に理解できます。このため、専門知識がなくても測定や解析の妥当性を確認しやすいという利点があります。
5. 溶接部など、直接測定が困難な箇所の応力推定
特に溶接線のように直接応力を測定しづらい箇所でも、例えば90度や135度方向からの応力・せん断応力データを用いて0度方向の応力を推定する、といった応用が可能です。これにより、物理的に測定が難しい方向の応力状態も把握できます。
このように、モールの応力円リバースは従来技術では不可能だった高精度かつ視覚的な応力解析を可能にし、特に工業的応用で求められる多方向からの精緻な応力評価に応えます。さらに詳しい内容や応用例については、X線残留応力測定センターにお問い合わせください。