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残留応力は、物質が外部の力が除去された後も内部に保持する応力のことを指します。これは、材料加工や加工後の冷却、応力をかけた後の結晶組織の変化など、さまざまな要因によって引き起こされます。残留応力が引き起こす主な問題には以下のようなものがあります:
応力腐食割れ(Stress Corrosion Cracking, SCC):残留応力は材料の耐食性を低下させ、特定の環境条件下で応力腐食割れを引き起こす可能性があります。これは、材料の劣化や亀裂形成をもたらし、構造的な問題を引き起こすことがあります。
疲労:残留応力が物質中に存在すると、外部の負荷によってもたらされる追加の応力と相まって、材料の疲労寿命が低下することがあります。これは、部品や構造物の寿命を短くする原因となります。
変形や歪み:残留応力が組織内部に保持されている場合、温度変化や外部の応力によって追加の変形や歪みが引き起こされることがあります。これは、寸法精度や機能性に影響を与える可能性があります。
クリープ:高温下での残留応力は、クリープ現象(長期間にわたるひずみ)を促進させることがあります。これにより、材料の変形や破損が進行する恐れがあります。
破損の加速:残留応力が存在する場合、外部の応力が加わった際に亀裂の成長が促進されることがあります。このような状況では、破損や損傷がより早く進行する可能性があります。
これらの問題を防止するためには、適切な材料の選択、加工プロセスの最適化、応力軽減のための方法(例:熱処理、リリーフ加工など)が重要です。特に、産業用部品や構造物の信頼性と耐久性を確保するためには、残留応力に対する十分な注意が払われる必要があります。